混んでいる美容室は売り上げが下がる!?お客様目線での考え方

【美容室経営】サロンは込んでくると売り上げが下がる

今回はサロンが混むと「売り上げが下がる」ということについてお話していきます。

混んでいると、売り上げは上がるんじゃないの?」と思った方。それは正解です。

皆さんの美容室でも「今日は忙しかったなー!!売上すごいなあ!」なんて日はありますよね。

ただ、今回お話していくのは「中長期的に見た時に下がる可能性がある」についてです。

話の展開としては「お店が混むと起こる具体的なリスク」をお話して、その後改善方法をお伝えしていきます。

お店が混むと起こる具体的なリスク

皆さんは、混んでいるところは好きですか?

行列に並ぶのが好きな人はいても、混んでいるところが好きという人は、ほとんどいませんよね。ではなぜ混んでいるところが嫌いなのでしょう。

それは混んでいると、マイナスのことが起きやすくなるからです。

美容院も同じです。ただし、絶対マイナスになると言っている訳ではなく、可能性が高まるということです。

さらに言うとマイナスを生み出すスタッフが出てくるという点もあります。

それがどんなことなのかを説明します。

お待たせする

サロンが混んでくると、仕上がりにかかる時間がいつもより長くなったり、既定の時間をオーバーすることもあります。

またお客様も、放置されていることを感じやすくなります。

雑になるもしくは雑に感じられる

手つきも自然と早くなりますね。

丁寧で速いのが一番良いのですが、スタッフの経験値や性格などもあるので、雑になる可能性が高まります。

たとえ普段と同じでも、混んでいる空気感からお客様がそう感じてしまうこともあるでしょう。

クオリティ減

忙しくても、クオリティを落とさないのがプロですが、やはりスタッフによって、ばらつきが出ます。カットはもちろんですが、アシスタントが行うシャンプーや塗布技術もそうです。

圧迫感がでる

サロンの広さに対しての「人口密度」が上がるので圧迫感が出て、それを良いと感じないお客様が出てくるでしょう。さらに、空間に対して音の数や音量が増えるので、落ち着きにくくなります。

事故率の上昇

忙しさの中ではミスが増えます。

カラー剤を飛ばしてしまって、お客様の顔や洋服に付けてしまうことや、お預かりしているものの管理ミス。スタッフがコケてしまって怪我してしまうなどいろんな事故率が上がります。

クレンリネスのクオリティが下がる

清掃面や整理整頓が、行き届きにくくなります。

スタッフの疲弊

ご飯を食べられなかったり、休憩を取れなかったりで疲れてしまいます。1日でも辛いですが、それが数日続くと疲弊してしまい、パフォーマンスが落ちます。

イライラしてしまう

混んでいる」ことがイライラの原因になる人もいます。 伝達ミスも起きやすくなるでしょう。それによって、サロン内の空気感が悪くなるし、なにより笑顔が消えやすくなります。

物販が出づらい

忙しいと技術に集中しがちなので、ワックスやシャンプートリートメント等の物販にまで、気が回らなくなります。

会計ミス

お会計を焦って行うことが増え、ミスが起きやすくなります。お金のことは信頼に直結しやすいので、サロンの評価が簡単に下がってしまいます。

電話応対

電話に出られる人員がいないと、電話が鳴りっぱなしになってしまいます。予約管理などにもミスが出やすいでしょう。

いかがでしょうか?これだけのリスクが出ました。

皆さんも「混んでいるところに行きたくない」と本能的に感じている人がいると思いますが、美容院の場合を分析すると

「混んでる=このようなリスクが起こりやすい=行きたくない」

となっているのではないでしょうか。

混んでいるのが1日だけだと考えれば、その日の売り上げは上がるでしょう。

しかし年間ベースで考えたらどうでしょうか?

お客様のリピート率はかなり低くなると思います。

こういった理由から「混むことで中長期的に売り上げは下がる」ということです。

ただし低単価サロンで客数勝負のビジネスモデルと、新規集客メインのビジネスモデルは、この限りではありません。

では、どのようにこれらを改善していけば良いでしょうか。

それにはまず「混んでいる定義」が必要です。

それがないとスタッフ同士で「こうなったら混んでいる」という共通認識が出来ません。

「混んでいる定義」は、サロンやその時のスタッフ状況によって変えてもいいと思います。

ただし具体的じゃないと意味がないので、当社でも採用している具体的な基準をお伝えします。

基準は、
「フロアのお客様数はスタッフ人数以下」です。

説明します。

その日の出勤人数が5人であれば、フロアにいるお客様の人数は常に5人以下ということになります。

これをやると、必ず誰かが空いている状態になるので余裕が生まれます。

2人施術もやりやすくなります。電話にも対応出来るし、休憩も回せます。サロンによっては、スタッフ人数プラス1とかのルールでも良いかもしれませんね。

ちなみに店長時代は、そのルールでやっていました。

ただ私的には、スタッフ人数以下の方がより良く感じます。

いかがですか?単純ですが先ほど申し上げたリスクは、ほとんどこれで解決します。

では、もしお客様からプラスメニューをしたいと言われて、スタッフ人数よりも多くなってしまう場合は、どうしたらいいでしょうか?

「カットだけの予約だったけどカラーもしたい」というお客様はよくいらっしゃいますね。

 

対応策として、1つは別日のご案内です

しっかりと別日のご案内をして差し上げる。そうすれば何の問題もないことがほとんどです。
意外とお客様はすんなりOKして下さいます。

2つ目は、その方をお待たせすることをご了承頂く

この2つです。

間違いがちなのが「せっかく来て頂いているのだからやって差し上げたい」というマインドが強く出てしまい「他のお客様の時間を圧迫してしまう」ということ。

これが「混む」ということにつながっていきます。

その方をお待たせして良いのであれば、問題はないでしょう。

さらに気を付けないといけないのは、プラスメニューが確定した時点で、それより後ろにご予約頂いているお客様の時間も、圧迫する可能性があるということです。

なので、混んでいる定義をしっかりさせ、「別日のご案内」と「お待たせすることをご了承頂く」この2つは非常に大事です。

「これをやってしまうと売り上げが下がりそう・・・」そう思っている方も多いと思います。

でも私は、店長時代から約15年間このやり方でやってきて、昨年対比を下回った月は、たった2回しかありません。

180ヶ月で2ヶ月だけなので、なかなか良いですよね。

理由は先ほど言いましたが「リピートのお客様」で構成されているからです。

リピートして頂くには、顧客満足度を上げる事が必要です。そのためには、他店との差別化などのプラスの材料も欲しいですが、マイナスの排除が必要ということです。

ちなみにマーケティングの世界では、新規客の集客と既存客の集客とでは、新規の方が約5倍コストがかかると言われています。

広く見れば「混まないサロンを作る」というのは、利益体質にするためにも必要な施策とも言えますね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は「サロンが混むと売り上げが下がる」ということと、その具体的改善法についてお話しました。

まとめると、

  • サロンが混むとリスクが沢山出てくる
  • その結果、中長期的にみると売り上げが下がる
  • リスクをなくすには「混んでいる定義」の設定が必要
  • 定義をスタッフで共有して予約の取り方に活用する
  • リピート率が上がり売上が上がる

ということです。

ぜひ取り入れられる部分があれば、取り入れて下さいね。

【美容室経営に関するnote】

note(ノート)

元大手美容院売上no1スタイリスト。 カットやカラー講師として内部、外部で活躍。 店長育成プログラムを考案しマネジメント…

【美容室経営をわかりやすく具体的に石橋拓郎チャンネル】

作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有…

Youtube 最新情報をチェック!