美容室の経営を安定させる次回予約の必要性

今日は次回予約の必要性についてお話しします。

次回予約とはご来店頂いたお客様が、ご退店時に次の予約を取って帰られる仕組みのことです。
歯医者さんなどは当たり前にやっていますね。

ちなみに当社の次回予約率は７０％から８０％です。

ではなぜ次回予約が大事なのでしょうか。

今日はそのあたりを「お客様と美容室それぞれのメリット」を中心にお伝えしていきたいと思います。

YouTubeでご覧になりたい方はこちらからどうぞ

お客様側のメリット

お客様のメリットは下記のとおりです。

いつも綺麗でいられる

適正な来店日が決まるので、ぼさぼさになったり新生部が伸びすぎたりということが無く
365日綺麗でいられます。

電話やウェブ予約をしなくて良い

お帰りの際に予約を取って帰るので、めんどくさい電話予約やウェブ予約をしなくて良くなります。

担当者が休みだったり、予約でいっぱいということが無い

「美容院に行こうと思ったら担当者が休みで取れなかった」
「予約がいっぱいで違う日に行くことになってしまった」
ということが無くなります。

身だしなみへの意識が高まる

美容師に最適なヘアスタイルの賞味期限を伝えてもらえるので、自信をもって生活できます。

美容院へ行くことがスケジュールに組まれているのでヘアケアにも意識が向きやすくなるでしょう。

美容室のメリット

美容室のメリットは下記のとおりです。

未来の売上の確保、売り上げ予測

1か月先の売り上げが、ある程度読めているというのは安心感があります。
予約数が少ない場合には、翌月の販売促進の施策を打つことも出来ます。

空いている日にちや時間を把握して、対策を打てる

次回予約がある程度入ってくるようになると、空いている日にちや時間が出てきます。
先程、翌月の施策を打てると書きましたが、日にちや時間別に短期的な施策を打つこともできます。

来店サイクルの短縮

お客様は「そろそろ美容院に行かなきゃ」という状況になって初めて「いつにしようかな？」
と予約する日を決められます。

でもそうなると行きたい気持ちになられた時から、ご来店までにタイムラグがありますね。

さらに予約が取れない状況だと「来店しようと思っていた日より、随分あとにしか予約が取れない」

なんてこともあるかもしれません。

そうなると、年間での来店回数が減ってしまう場合があります。

例えば60日周期のお客様が67日周期になった場合

365日÷60日＝6.08回
365日÷67日＝5.44回

となり、年間の来店回数が1回減ってしまいます。

逆に次回予約に取り組み、顧客数が500人で客単価10000円だった場合、
年間1回来店数があがると考えれば、500万の売上増ということになりますね。

小数点以下を省いた来店回数で話しているので、実際はこの通りではないかもしれませんが
売り上げが上がるのは間違いありません。

予約をとれずに失客ということが無い

「予約を取ろうと思ったらいっぱいで取れなかった」ということは、お客様誰しも１度は経験されていると思います。

皆さんもマッサージの予約などで経験ありませんか？

その時お客様はどうされるでしょうか？

別日にしてくださればまだよいですが、すぐ美容院に行きたければ他サロンを予約される可能性もあります。

特に土日祝日などの混みやすい日は、回数もある程度あるでしょう。

次回予約を取っていれば、このような事も少なくなり失客率も下がります。

曜日や時間、天気による売り上げのムラ防止

次回予約が浸透すると

「うちの美容室は何曜日が暇」とか「夕方が比較的空いている」とか「雨が降ると客足が鈍る」などが少なくなります。

なぜそうなるかというと、お客様のご希望とサロン側の都合を合わせた予約スケジュールを作れるからです。

例えば「何月何日前後でどうですか？」提案した場合、お客様のご都合が良ければ、暇になりやすい曜日に誘導できますね。

閑散期繁忙期の差が少なくなる

ご来店の周期が決まっていれば、定期的にいらっしゃるお客様で予約が埋まっていきます。

すると閑散繁忙の概念が無くなります。これは安定した売り上げを作るために非常に大事です。

ホットペッパー費用の軽減

ホットペッパーを新規集客ツールとして使い、次回予約を取って頂けばホットペッパー費用の削減になります。

ホットペッパー経由でご来店頂いたお客様には、２％のPontaポイントが付与されます。これはサロン側が支払っていますね。

ということは「毎月の掲載料」＋「ポイント付与分」を支払っている事になります。

仮にホットペッパー経由の月間予約が３００人だとして客単価1万円の計算をすると

（３００人×1万円×１２ヶ月）×０．０２＝７２万円

このようになり、なんと「年間７２万円分のポイント付与分」を支払わなければいけません。

掲載費とは別の７２万円が少しでも抑えられれば、かなり利益が出やすくなりますね。

予約をパズルのように埋められる

美容院の仕事はアイドルタイム（空き時間）の多い仕事です。
なぜそうなののでしょうか？

それは「待ちの営業スタイル」だからです。
「暇だなー」と思っても掃除をして待っている美容室が多くあります。

それを「攻めの営業スタイル」にしてくれるのが次回予約です。

次回予約に取り組むことで、できるだけ自分たちの手が空かないように予約を埋めていくと、アイドルタイムが少なくなります。

そうすると、1日のサロンワークが効率的になり売り上げが変わってきます。

スタッフの配置調整

次回予約を取っていると、忙しい日などがあらかじめ分かってくるので、スタッフ配置を変える事が出来ます。

とくに複数店舗を経営されているサロンには、スタッフ生産性を上げるためにも非常に良いでしょう。

指名のお客様の休日来店がなくなる

スタッフから見た時にも良いことがあります。皆さんはこんな経験ないでしょうか？

Aさんが休みの日に、Aさん指名で予約の電話があり、Aさんは入客出来なかった

これは、お客様にとってもAさんにとっても良いことではないですよね。

電話が減る

サロンワーク中の電話に出るのは、なかなか大変なことも多いですよね。

受付スタッフを雇っているサロンはあまり気にならないかもしれないのですが、次回予約を取っていれば電話が鳴る回数が確実に減るので、サロンワークに集中できます。

薬剤等の準備ができる

「今週はブリーチのお客様が多いな」とか「矯正が多いな」など予約メニューによって、発注を変える事が出来ます。

休憩がとりやすい

自分たちで予約をコントロールできるので、予約を取りすぎるということがありません。

土日祝日等の忙しい時でも、しっかりと休憩を考えた予約状況にすることが出来ます。

次回予約のデメリットとその対策

次回予約にはデメリットもありますので、対策も含めてお伝えします。

キャンセルが増える、お客様が忘れやすい

次回予約を取るとキャンセルや変更は増えます。それを改善するには

※次回予約時にスケジュールにしっかり入れてもらう。スマホ、手帳など。
※メールやラインで来店数日前に確認のメッセージを送る。

これらが有効です。

「キャンセルが増えるから次回予約は嫌だな」と感じるのもわかるのですが、上記したメリットと比べれば微々たるものです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今日は次回予約の必要性について説明してきました。
もう一度箇条書きでまとめます。

「お客様側のメリット」
・いつも綺麗でいられる
・電話やウェブ予約をしなくて良い
・担当者が休みだったり、予約でいっぱいということが無い
・身だしなみへの意識が高まる

「美容院のメリット」
・未来の売上の確保、売り上げ予測
・空いている日にち時間を事前に把握して対策を打てる
・来店サイクルの短縮
・予約をとれずに失客ということが無い
・曜日や時間、天気による売り上げのムラ防止
・閑散期繁忙期の差が少なくなる
・ホットペッパー費用の軽減
・予約をパズルのように埋められる
・スタッフの配置調整
・指名のお客様が休みの日にいらっしゃることがなくなる
・電話が減る
・薬剤等の準備ができる
・休憩がとりやすい

「デメリットとその対策」
・キャンセルが増える、お客様が忘れやすい
スケジュールを忘れないようにしてもらう施策で対策

このようになっています。

次回予約を取っていくうえで1番大事なことは

【お客様に365日素敵でいてもらうための美容師の責任】

というマインドだと思います。

そのマインドをもってやってもらえると、お客様にも美容室にもメリットが沢山あるので、サロン運営も円滑になるのではないかと思います。

次回予約の具体的なやり方を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。