皆様の美容室では材料費削減に取り組んでいらっしゃいますか?
取り組んでいらっしゃる美容室にお話を聞くと
「スタッフに無駄遣いするなと言っても改善されない」
「カラー剤を作りすぎないよう、作りすぎた分は別に分けて可視化できるようにしているが効果を感じない」
など、取り組んでいるがなかなか削減が難しい、というお声をよく聞きます。
そこで1つ質問とご提案があります。
「材料費率は出していますか?それを出すことからはじめませんか?」
このような質問とご提案です。
ということで、今日は
【材料費削減のために材料費率を考えてみる】
ということををテーマに書いていきたいと思います。
仕入れの管理を店販と材料に分ける
まず仕入れ金額の管理を「店販」と「材料」に分けてください。
ディーラーにお願いすると、分けてくれるところもあるので聞いてみましょう。
その上で
材料費÷技術売上×100=材料費率
これが1つの指標になります。
美容室の材料費の適正値は、10%以下です。
それより上のサロンは、まず7%から8%を目指しましょう。
年間3000万のサロンで、もし3%変われば90万の利益がでます。
5%なら150万も利益が出ます。大きいですよね。
ちなみに当社は材料費削減に取り組んでいるので、材料費率5%以下です。
3項目材料費率
さらにここでやってほしいことがあります。材料費を各技術ごとに出してみて下さい。
美容院で主に材料を使う技術は3つ。
カラー、パーマ、トリートメント
材料費率をこの3つに分けるということです。
カラーを例にすると
カラー材料費÷カラー技術売上×100=カラー材料費率
ということになります。
これと同じようにパーマとトリートメントも出すことで、どの技術で無駄遣いが多いかがわかります。
もっと細かくやりたければ、カットの技術を抜いて数字を出すと良いでしょう。
なぜかと言うとカットの売上が高いほど、材料費率が減るからです。
極端な話、カット専門店であれば材料費は0円に近いですよね。
カット以外の数値を出すためには、このような計算式になります。
3項目材料費÷3項目技術売上×100=3項目材料費率
ここでの3項目というのはカラーパーマトリートメントです。
当社ではこうやって出た数値をExcelで管理し「なぜ上がったのか?」「なぜ下がったのか?」
の分析をしてスタッフ全員で共有しています。
【美容室の材料費を簡単に管理するExcelシート】はこちらでダウンロードできます。
この記事はExcelシートを使って、美容院での材料費を簡単かつ正確に把握するための方法をお伝えしています。 この記事の…
材料費を分析する時に大事なこと
分析の時に大事なことは2つです
・毎月やる
・上がっても下がってもその理由を追求する事
この2つです。
毎月やる
これは当たり前かもしれませんが、意外にできていない美容室が多いです。
気まぐれにやっても意味が少ないので、習慣にしてください。
上がっても下がっても理由を追求する
上がったら「なんであがってるんだ!!」と分析しようと思いやすいのですが
下がったら「いいねー今月頑張ったね」という感じで、分析をする意識が少なくなりがちです。
上がったらマイナスポイントを改善。
下がったらプラスポイントをさらに伸ばす。
この両方から行うことで、材料費が下がりやすくなります。
材料費率はスタッフとシェア
こういう具体的な取り組みをスタッフとシェアする事で、自然と材料費への意識が高まります。
当社はコスト管理のLINEグループを作り、そこでシェアしています。
ここまでの施策ををやったうえで
「カラー剤を作りすぎないようにしよう」
とか
「作りすぎた分は別に分けて可視化できるようにしよう」
などの「実務的な材料費削減方法」やっていくと、効果が出やすくなります。
実務的な材料費削減方法
ではここで、実務的な材料費削減方法をいくつかご紹介します。
サロンに合う合わないがあると思うので、取り入れやすい施策からやってみて下さい。
・カラー剤の余りの可視化
余ったカラー剤を別のカップで保管しておくというものです。そのカラー剤は使えませんが
「こんなに無駄にしている」
ということをスタッフに感じてもらい、材料を無駄にしない意識を育むことが目的です。
・カラー剤を絞る
カラー剤の1剤チューブを絞って最後まで使うことは、ほとんどの美容室がやっていると思います。
ただ、壊れやすかったり、使い勝手が悪いという話をよく聞きます。
下記の商品は、力をそんなに入れなくても絞りやすく、壊れにくいという特徴があります。
・カラーをホイップする
カラー剤を混ぜるときにマドラーを使っているサロンが多いと思いますが、ミキサーで混ぜると、しっかり混ざる上に体積が増えるので、カラー剤が節約になります。
カラー専用のミキサーも出ていますが、下記のものだと安価で手に入り、十分な効果を発揮します。
・カラー剤は捨てるなら作り足す
忙しくなってくるとカラー剤を作るときに「作り足したくないから多めに作ろう」という意識が生まれます。
そうなると必然的に無駄にしてしまう量が増えてしまうので
「カラー剤は捨てるなら作り足す」というルールを浸透されることが大事です。
これはもう言い続けるしかありません。
朝礼終礼、ミーティングなどで常に話題に上げましょう。
・トリートメントはメーカーに適正量をきく
トリートメントの材料費は、かなりかかります。
単価が高いのはもちろんですが、スタッフが何プッシュもしてしまうことや、付けすぎていることも原因です。
メーカーに適正量を聞き、しっかりスタッフと共有しましょう。
・商材数を絞る
商材数を絞れば簡単に材料費は下がります。下記の2点をチェックしてみてください。
・そんなに動いていない商材は、代替で何とかならないか?
・カラー剤のブランド数を絞れないか?
この2点を変えるだけでかなりの削減になるでしょう。
・材料費交渉
カラー、パーマ、トリートメントの材料。これらの仕入れ価格をディーラーと交渉しましょう。
交渉の仕方がわからない方は、下記動画で説明していますのでご覧ください。
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有…
小規模サロン材料費削減サービス
当社ではディーラーとタッグを組み「小規模サロン材料費削減サービス」という取り組みを行っております。
小規模のサロンが集まって発注をまとめることにより、大手サロンに負けない仕入れ価格を実現するというサービスです。
「仕入れ価格を下げて材料費を削減したい」という方はこちらの資料をご覧ください。
現在多くのお問い合わせをいただいております。
サロン数が上限に達した時点で、新規加入は一旦打ち切りますのでお早めにご連絡ください。
ご連絡先は下記までメールにてお願いいたします。
件名に
「材料費削減希望」と書いてご連絡ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「美容室の材料費削減方法」について書いてきました。
まとめると
・材料費を下げる為には、実務的なことよりも前に材料費率を出すこと
・材料費率は「カラー」「パーマ」「トリートメント」の3項目に分けること
・毎月なぜ上がったか?なぜ下がったかを検証して、それをスタッフとシェアすること
・上記3つを行ってから、実務的なことをやること
この4つです。
皆様の美容室が材料費を削減できて、利益が出やすい体質になることを願っています。